リカルド・ボフィル: 人生
近代デザイン界において最も重要な建築家でアーバニスト(都市計画の専門家)のひとりであるリカルド・ボフィル(Ricardo Bofill)は、実用的な都市計画作りの第一線で活躍しています。1939年、バルセロナに生まれたボフィルは、Instituto Francés後、1955年から56年までバルセロナ建築高等技術学校(Escuela Superior de Arquitectura)で学びましたが共産党グループと関わったことで退学処分となり、彼の在学は打ち切られます。このことはリカルド・ボフィルの専門的能力の開発を妨げず、1年も経たないうちにスイスのジュネーブへと向かい、1957年から1960年の間大学にて建築を学びます。
それから3年後にバルセロナに戻ったリカルド・ボフィルは、自身のタジェール・デ・アルキテクトゥーラ(Taller de Arquitectura)を立ち上げました。建築家仲間のみならず、アーバニスト、エンジニア等などの芸術界における全ての分野を代表する人々と共に、ボフィルの計画したタジェール(ワークショップ)とは、都市空間の問題を分析し、それらを改善する方法を考え出すことでした。
1963年、初めてのオフィスをバルセロナに立ち上げて以来、リカルド・ボフィルはパリー、ニューヨークへも進出、世界的な広がりを見せます。彼は、また建築、空間、都市生活の異なる面について数々の本を書き上げています。彼のタジェール・デ・アルキテクトゥーラは、今日、再建や都市計画、建築を手がけ続けています。世界的に名高い資生堂、クリスチャン・ディオール、カルティエの本社を手がけ、話題になりました。
リカルド・ボフィル: 建築スタイル
リカルド・ボフィルの建築スタイルは、ポスト・モダンの様々な要素を含んだテーマを連想させる傾向にあります。
現代的な材料、ガラスやスチールの使用に加え、ボフィルはより古典的な建築スタイルを用い、2つを巧みに融合させます。彼の手がける作品の多くは柱、アーチ、力強い骨組みで支えられた装飾外観、未来的な何かを秘めた巧みなラインが用いられています。記憶に残るユニークなボフィルの建物作りは、これらのスタイルの間での抜群のバランスによるものです。
リカルド・ボフィル: 代表的な建築物
- Rochas Offices, パリ、フランス(1986年~1987年)
- クリスチャン・ディオール本社、パリ、フランス(1989年~1992年)
- 国立カタルーニャ劇場(Catalunya National Theatre)、バルセロナ、スペイン(1986年~1996年)
- マドリード市議会(Palacio Municipal de Congresos)マドリード、スペイン
(1993年)
- Lengthening of the Paseo de la Castellana、マドリード、スペイン (1997年)
- カルティエ本社、パリ、フランス (1998年)
- アクサ本社、パリ、フランス(1998年)
- Torre Dearborn Center、シカゴ、アメリカ (1998年)
- ラゾーナ川崎プラザ、川崎市、日本(2001年)
- 資生堂ビル、東京、日本(2001年)
- Algería, new capital city for Argelia、アルジェリア、北アフリカ (2002年)